2005年6月2日(木) <第1153号> 「沈黙は金なり」(『聴く』)(第20回) − 相手の話をじっくり聴くとコミュニケーションが円滑になる − 【20】素直に聞く 聞き上手の極意は「素直に聞く」ことです。 a)28歳 b)独身 c)女性 d)黒いワンピースに黄色のパンプスをはいている e)バラのコンサージュをつけている あなたは、この女性をどのようにイメージしましたか。 この問いには正答はありません。 人間がいかに自分の想像で人や物を見ているかがわかります。 素直に聞くには訓練しないとできないのです。 相手に素直であるのと、自分に素直であることを区別する訓練さえすれば、 そんなにむずかしいことではありません。 相手が聞かない以上話す必要はありません。 素直に聞くことは、素直に話すことと違います。 あなたは「そうか」「そうなの」「ふーん」「へー」と素直に聞けますか。 そこで相づちを打つと嘘を「言う」ことになる、と感じますか。 もう聞く立場を離れて、「自分を守る立場」「説教する立場」「言う立場」に 自分を置いていませんか。 相手のことは相手の思いのままに聞き、 自分の思いは相手が聞くまで胸にしまっているだけです。 他人が言った意見を素直に聞くのと、自分がそれを言うのとはまったく違います。 素直に聞くのと、同調するのとは違います。 単に聞くのは「たずねる・質問する」のとは違います。 素直に聞くことは聞くことなのです。 聞くときは「Listen」するだけで「Ask」しないのです。 「お前がそう思っているのだから、お前にとってはそうだろう」 子どもは自分の気持ちを聞いてほしいだけで、 あなたの意見を聞きたいと思っているわけではありません。 「素直に」聞けないのは、自分の感情が話し手のそれに混合してしまうからです。 話し手の意見は相手の意見であり、あなたの意見ではありません。 しっかりと聞いていると、質問なのか、聞いてほしいだけなのか区別ができます。 <バックナンバー> 【01】「沈黙で売る」 【02】「素直に聞く」 【03】「話し上手は聞き上手」 【04】「真剣に聞く」 【05】「相づちを打つ(その1) 【06】「相づちを打つ(その2) 【07】「相づちにも種類がある」 【08】「くり返す(相づちの高等技術)」 【09】「相づちはタイミング(上手に聞く)」 【10】「聞いた話は忘れる」 【11】「ぐちを聞く」 【12】「ぐちを聞くには極意がある」 【13】「自分のことは話さない」 【14】「相手の心を映す鏡になる」 【15】「他人のことはできない」 【16】「聞かれたことしか話さない」 【17】「答えられない質問には答えない」 【18】「じっくり相手の話を聞く」 【19】「相手の話に興味をもつ」
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