2005年5月16日(月) <第1136号>
「沈黙は金なり」(『聴く』)(第12回)
− 相手の話をじっくり聴くとコミュニケーションが円滑になる −
【12】ぐちを聞くには極意がある
昔の主婦のぐちの聞き方から、聞き上手になるコツが学べます。
まずは自分と関係させるように相手には思わせています。
そのじつ、自分とは関係のない話として聞いています。
− 聞き上手 −
主婦A
「このごろ、うちの人帰りが遅いのよ」
主婦B
「あら、うちもそうよ」(○)
(「嘘」ではなく、相手に対する礼儀です)
あまり話を深いほうに進ませないようにします。
これが、主婦の会話の知恵です。
主婦A
「そうね。心配してもしかたがないしね」
主婦B
「そりやそうよ。でも、女房思うほど、亭主もてはせずだし」(○)
話を聞き流し、自分サイドに引きつけない、というのはたいへんな知恵です。
自分のほうに相手の話を引きつけて聞きますと、自分の気持ちで相手の話を聞くことになります。
そうすると、相手の話を相手サイドで聞けなくなります。
さほど親しくない間柄のときには、みんな同じだという地平に立ち、相手の話を聞きながら、
相手に特有な事柄は聞き流すことが、うまくできず聞きすぎてしまったり、話しすぎてしまったり
して、適切な距離がとれずに人間関係がまずくなります。
− 聞き下手 −
主婦A
「このごろ、うちの人帰りが遅いのよ」
主婦B
「ご主人、仕事が忙しいから、それで遅くなられるのでは」(×)
そうなると、話が深くなります。
主婦A
「そんなことないのよ。つきあい、つきあいと言うのよ」
話を進ませると、どうしても個人のプライバシーや秘密に触れてくるようになり、
関係が対等ではなくなり、つきあいづらくなってしまいます。
<バックナンバー>
【01】「沈黙で売る」
【02】「素直に聞く」
【03】「話し上手は聞き上手」
【04】「真剣に聞く」
【05】「相づちを打つ(その1)
【06】「相づちを打つ(その2)
【07】「相づちにも種類がある」
【08】「くり返す(相づちの高等技術)」
【09】「相づちはタイミング(上手に聞く)」
【10】「聞いた話は忘れる」
【11】「ぐちを聞く」
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