2005年5月15日(日) <第1135号> 
 
                      「いまも日本人は」(第6回) 
 
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┃【06】精一杯生きている ■■■■■■■■■■ 
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なんでもないふつうの日本人たちの顔には、どれも日々の暮らしを精一杯生きているという 
表情があります。 
 
貧しかったけれども心があった時代、それにくらべて現在はこういう心をどこかに置き忘れて 
いる、と言う人がいます。 
 
たしかに、不合理なもの、非効率的なものを切り捨ててきたものの中に、生活の知恵とか、 
むかしから伝わってきたいい伝統とか、あるいは人間が生きていく上で大切な賢さというものが 
ありました。 
 
むかしは近所の子どもが質の悪いいたずらをしていると、大人は本気で自分の子と同じように 
叱りました。 
 
あるいは見知らぬ子どもでも、ゴミを拾ったりしていると、「おや感心だ、えらいねぇ」などと声を 
かけて、ほめてやったりしていました。 
 
子どもは国の宝物であって、地域社会のみんなで育てていくという雰囲気がどこかありました。 
 
いまはお互いの人間関係が希薄になり、特に都会などではそうした光景が少なくなりましたが、 
いまの日本人の顔にも、日々の暮らしを精一杯生きているという表情が見られます。 
 
                                          (エッセイスト 大前乃英雄) 
 
 
<バックナンバー> 
【01】「いまもやさしさがある」 
【02】「いまも良心を持っている」 
【03】「いまも家族全員が集まる」 
【04】「いまも家族の絆がある」  
【05】「いまも報われている」 
 
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