2005年4月2日(土) <第1092号> <バックナンバー> ○ 井上 充さん 【 61】タクシー運転手と請負 【 62】タクシー運転手という仕事 【 63】雇用情勢 【 64】高齢者雇用の取組み 【 65】NEET(ニート) 【 66】技能系社員登用制度 【 67】個人業務委託 【 68】労働形態の多様化 【 69】雇用対策の転換 【 70】採用の良否 【 71】派遣労働者の現状 【 72】新卒者内定状況 【 73】ICという働き方 【 74】某社人事担当者の悩み 【 75】営業マンの休憩時間 【 76】オーケストラの年収 【 77】労働時間延長に動く独企業 【 78】就業促進手当 【 79】第三者行為労災について 【 80】プライバシーマーク 【 81】改正労働基準法 【 82】過労自殺 【 83】私的メールのモニタリング 【 84】ビジネスマンが重視するものは 【 85】社員の起こした交通事故について 【 86】基本4情報の漏洩 【 87】聖域を外部委託した生保 【 88】医療機関の個人情報保護 【 89】生命保険の手数料 【 90】プライバシーマーク・認定申請増える 【 91】カンタン個人情報保護対策 【 92】求職活動支援書 【 93】改正代金法 【 94】成績不良と解雇 【 95】市場化テスト 【 96】セクハラ相談 【 97】給与計算の変更点 【 98】ADRって何? 【 99】悪用される全喪届 【100】信用と取引信用保険 【101】保険料の節約法 【102】労働福祉事業と雇用保険三事業 【103】年金暮らしと税金 【104】年俸制について 【105】65歳までの雇用確保が義務付けられます 【106】労働組合法が改正 【107】育児・介護休業法が改正 【108】会社を退職した方が創業する場合の助成金 【109】ストックオプションの利益は給与所得 【110】人事考課 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ - 【111】成果型賃金制度導入の難しさ - ……………………………………………………………………………………… 外資系企業は、きちんとした戦略とそれに対する役割分担と仕事の進め方が取り決められたユニットで構成されていることが多いため、人事のプロや財務のプロといった職人的ホワイトカラーがすぐに結果を出すことができます。 いわば外資系企業は、部品を集めて組み立てると完成品ができる、パソコンのような"嵌め込み型"の組織です。各人の成果を問うことが比較的容易で、職務ごとの市場価格もあります。 一方、日本企業は、専用に最適に設計された部品を、綿密に相互に調整しながら結合し、トータルで高い性能が発揮される自動車のような"摺り合せ型"の組織です。 このため、日本企業では、戦略が不明瞭で、役割分担が不明確でも、仕事の進め方が会社により大きく異なっても、会社に不都合はないのです。 しかし、社内事情・社内人脈(誰にどういうことを聞けばすぐに仕事ができるか、誰に何を頼めばいいか等)を含めた社内だけで通じる特殊な能力が不足していると、仕事を円滑に進めることができなくなります。 各人ごとの成果が問いにくく、また、職務の市場価格があったとしても、価格通りに機能するかどうかはわからないのです。 仕事や成果に合わせて報酬を決めるためには、報酬決定の透明性を上げていくことが必要となりますが、その前提として、仕事や職務そのものを明確化していかなければなりません。 成果型賃金制度の導入は、単なる賃金制度の変更ではなく、"摺り合せ型"から"嵌め込み型"へ、日本企業の仕事の進め方や組織文化自体を根底から変革することなのです。
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