2005年1月19日(水) <第1019号>
<バックナンバー>
○ 橋川 栄二さん
【01】"わが国の実態経済は相当深刻で・・・"
【02】"量産品は中国やタイを中心とした海外組に任せ・・・"
【03】"IT革命がもたらす過度の情報に躍らされて・・・"
【04】"限られた経営資源の中では・・・"
【05】"国策として、産学連携や大学発ベンチャーの創出とか・・・"
「私の職務経歴書」(No.6)
− 日々精進を重ね続ける事がわが国中小零細企業の生命線 −
わが国ものづくりのキーワードのひとつは「特殊性」だと思います。
世界の量産工場である中国やインドでは担えない「汎用性」のない特殊なもので、時代のニーズに合致したメードインジャパンならではのものとは何か?ということと、これまでたゆまぬ努力を注ぎ、長年に亘って培ってきた技能職人としての経験や勘が活かせるものすなわち安易な設備投資では容易に追従できないものとは何か?を見出すのが最大の課題であると思います。
これまでの国際競争社会の中で生まれた過度なコスト意識は、安易なリストラや過剰な経費削減運動を巻き起こし、それによって多くのかけがえのない財産と生産現場の活力までもが失われてしまいました。
反省したところで、ほんとうに取り返しのつかない大変なことになっています。
これまでのような競争の論理でものごとを考えていたら、わが国の勝ち目を見出すのは大変なことで、わが国が担うべき役割、すなわち技術立国日本としてのあるべき姿をもう一度きちんと論じ直す必要があると思います。
そして前稿にも述べましたように、有望な新技術が目白押しの状況にある訳ですから、全体のバランスを考えながらそれぞれの分野のリーダーに明確な役割を与え、設備更新の問題を補える制度を考え、夢と希望のある明るい未来社会の実現に向かって皆で協力しあうことが大切なのではないでしょうか。
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