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2005年1月7日(金) <第1007号>

                         ■労働・経営■
<バックナンバー>
○ 井上 充さん
【61】タクシー運転手と請負
【62】タクシー運転手という仕事
【63】雇用情勢
【64】高齢者雇用の取組み

     ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                       - 【65】NEET(ニート) -
     ……………………………………………………………………………………… 
失業者の条件は、次の3つです。

○ 仕事がなくて、調査期間中の月末1週間に少しも仕事をしなかった。
○ 仕事があればすぐ就くことができる。
○ 調査期間中、仕事を探す活動や事業を始める準備をしていた。

これらから、俗にNEETと呼ばれる人々は失業者でさえないと言えます。

NEET(ニート)とは、職に就こうとしない、学校にも通っていない、仕事に就くための専門的な訓練も受けていない若者のことを指します。

今日本には、25歳未満の若者が1,500万人います。

この内、就業者が573万人、失業者が72万人、学生が750万人、浪人生が約14万人いると見られています。残りの89万人は、仕事を探しているわけでもなく、かといって学校に通っているわけでも、進学しようとしているわけでもありません。この89万人の内、少なくとも40万人が、ニートと呼ばれる若者です。

ニートは、やりがいと自己実現のできる仕事が見つからないため、あるいは人間関係を築くことが困難なために、社会人の入口で立ち尽くしているのです。

ニートの日常の多くは、昼過ぎまで寝て、日中はぼんやりとテレビを観たり、時には夜中までブラブラしたりしています。教育・訓練への不参加のため、将来的には就業の見込みが限りなく低く、失業者や慢性的な生活保護の対象になる可能性が極めて高いと指摘されています。

ニート増加の背景として、労働市場問題、教育問題、家庭問題の3つが挙げられています。

最も有力な仮説が家庭問題で、これは家庭内の不和、兄弟姉妹の減少、地域交流の乏しさなどが、人間関係を築けない若者を育ててしまったというものです。

学ぶことから外れてしまった若者たちは、いずれ職業社会から強烈な拒否宣言を受けます。自己の存在そのものを否定されたニートたちが、将来社会の不安定要因になることだけは間違いがないでしょう。

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