2004年2月7日(土) <第794号>
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♪eエンジニアリング・ニュース♪
【最適設計】
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<バックナンバー>
【01】〜【13】
【14】環境対策技術
【15】中小企業の戦略的思考
【16】超高速と低コスト
■「日本の製造業」■
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<小さな巨人>
・あらゆる方向からプレスして3次元的に加工する金型
・ロール状の板材をプレス機に送り込み、一つの金型で十数工程をこなす順送型
・可動させる複数の部品をプレスでかしめるバーリングカシメ
「鉛筆で描けるものはすべて作ってきた。目を閉じて、宙に浮かべて立体的に見るんです。
すると、作るべき金型のカタチが見えてくる。」
(ソウテック社長 岩崎 勝久さん)
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- 【17】日本の優位性 -
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「日本は何でならものづくりで勝てるのか」
たとえば、
○自動車産業の場合
●先ずは能力構築の競争である、顧客から見えない「裏の競争力」で競争をしてきた。
「表の競争力」(価格、納期、品質、ブランドなどある市場で買い手の判断材料となる)
「裏の競争力」(生産性、開発・生産期間、製造品質、歩留まりなど「表の競争力」を支える生産・開発現場の実力を示す)
●次に日本に偏在する企業の組織能力と産業・製品の基本的なものの考え方である、アーキテクチャーの相性の良い製品を選んできた。
たとえば、
●日本の強みは現場のチームワークが生きている、部品や設備をきめ細かく相互調整し最適設計することで狙った製品機能を実現している「摺り合わせ型」に優れている(システム液晶、新合繊、溶融亜鉛メッキ鋼板)
●米国企業の強みはビジネスモデルの構想力に優れている(パソコンネットワーク製品)
●韓国企業の強みは資金と意志決定の集中力に優れている(メモリー半導体製品)
●中国企業の強みは優秀な出稼ぎ労働者の動員力に優れている(普及型の家電製品)
●欧州企業の強みは対顧客の表現力に優れている(高級品、ファッション製品)
「日本は産業競争力の維持強化に向けて何をすべきか」
○先ずは企業は自ら得意とする組織能力に磨きをかけ続けること。
○次に得意な設計思想を見極め、とりあえずは産業分類や加工段階(完成品・部品・素材)に
拘わらないこと。
○そして能力構築の競争の先頭に立つ企業をもっと走らせること。
○さらにブランド構築力、国内販売力、戦略構想力など補完的な組織能力の増強によって
「強い工場・弱い工場」を克服し、競争力と収益バランスを回復すること。
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