2003年10月2日(木) <第666号>
■「奈穂の税務相談」■
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- 【9】中小企業の資金繰り -
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○資金管理が重要テーマ
粗利益15%の下請け建設会社が3000万円の手形不渡りを掴まされた場合、その企業に与えるインパクトはどの程度になるのかをまず想像して見て下さい。
<貸し倒れ3000万円…≫粗利3000万円÷15%=必要受注工事高2億円>
上記の単純な計算からしても、3000万円の貸し倒れを挽回するのに2億円の工事を受注して初めて回収できることが分かります。比較的、粗利益率の低い卸売業などでは尚のこと事態は深刻です。
○資金繰り管理システム
6ヵ月先行の資金繰り表を作成し、予実績管理を行い、資金繰り予測の精度を90%以上で推移させて下さい。
<資金繰り管理のポイント>
・向こう6ヵ月の予想をたてる。(6ヵ月先行管理)
・収入及び支払予測の精度は90%以上であること。(担当者の予知能力と技術が要求される)
・予実績の対比は必ず行う。(月度ごとの予実績管理)
・資金繰り作成に当っては、各受注担当者の全面協力を得る。
・トップとの連携を密にする。
・金融機関への借入申し込みは、事前に計画的に行う。
(特に、投資などの大型借入の場合は、向こう3〜5年の経営シミュレーションの実施。予想P/L、予想B/S、予想資金繰り表等)
(1)資金繰りの6ヵ月先行管理を行い、運転資金借入を最低限に抑える。
中小企業の多くの場合、資金繰りは1〜2ヵ月の期間で管理していることが比較的多いが、自社振り出しの支払手形の資金決済を考えると、1〜2ヵ月では心もとなく、少なくとも3ヵ月以上は最低必要であり、理想を言えば6ヵ月先までの資金状況の把握は必要です。
そこで特に難しいのが、売上の予定と回収の予定を如何にして担当営業マンから正確に情報収集するかということです。基本は、第一線の営業マンに「売上の先行管理」と「回収の先行管理」を徹底して教育することです。
(2)6ヵ月先行の資金計画をたてて自助努力による資金対策を実施して下さい。
・資金余力とムダの排除
・借入金残と返済計画、借入計画による借入金および借入枠管理…≫金融機関への先手交渉
・収入計画に対応した支出計画のあり方
などが具体的に検討でき、前向きの管理強化ができます。
(3)中期経営計画に基づいて中期資金計画を策定し、経理部の部門長は資金運用のリーダーシップを発揮して下さい。
6ヵ月の資金繰りの先行管理ができるようになったら、経理部または財務担当の部門長は3ヵ月程度の資金計画を組み立てて下さい。
<長期経営計画を支える長期資金計画をつくる。>
・中期資金計画は、一年単位で3〜5年間について作成し、毎期ごとに一度見 直しをして、資金の調達と運用を総合的な見地からバランスさせることを狙いとします。
・自己資本比率向上のための長期基本目標を策定します。
<中長期予想貸借対照表を策定せよ。>
資金計画のみでなく、総合的な予想B/Sで経営計画をチェックし、財務で打つべき手を明らかにすべきです。そして、常に中長期資金計画に連動する形式で作成します。作成の手順とそのポイントは以下のとおりです。
・最近の決算書から平均総資本回転率を押さえる。
・業界平均、ライバル等のデータを参考にしながら基準資本回転率を設定する。
・長期経営計画を推進するための設備計画、自己資本計画、中長期資金計画を整備する。
以上を踏まえた上で、総合的な中長期予想貸借対照表を作成して下さい。
「取引先安全度チェックリスト」
○ヒト
・受付での印象はよいか、声にハリがあるか
・社内は和気あいあいとした雰囲気であるか、社員同士のヒソヒソ話は聞かれないか
・出入り業者の中に借金取りなどの怪しい者はいないか
・社員の電話の対応で言葉使いはどうか
・本業を忘れて公職に力をいれていないか
・企業の私物化など公私混同していないか
・経営者が自分のコレクション集めに没頭していないか
・役員同士の派閥闘争など経営者間であつれきはないか
・社員の使い込みや持ち逃げなどの事件はないか
・労使関係は協調が保たれているのか
・主要ポストの人が退職したり従業員が大勢辞めていることはないか
・役員の中にブラックリストにのった人物はいないか
●「ナイス・ビジネス・パートナー」(NBP)
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