2003年9月18日(木) <第652号>
■「奈穂の税務相談」■
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- 【7】外国法人が日本で事業を開始した場合の納税義務の判定 -
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○誤りの事例
外国法人が新たに日本国内で課税資産の譲渡等に係る事業を開始する場合において、その国内での事業開始時を設立1期目と考え、基準期間のない新設法人としてその納税義務の有無を判定しました。
○正しい処理
設立時は国内での事業開始時ではなく、その外国法人が本国において設立された日によって判定しなければなりません。よって基準期間がない新設法人に該当するとは限らないのです。
○外国法人に係る新設法人の特例の適用
外国法人がその本国において設立して2年間は日本国内において事業を行う限り新設法人に該当します(消法12 の2)。
この場合の資本または出資の金額は、設立初年度においてはその年度開始の日における日本国内での登記上の金額、第2年度については前年度の貸借対照表に記載された金額により判定します。
資本の金額等の円貨への換算は、当該事業年度開始の日における電信売買相場の仲値によります(法基通20-3-14 準用)。
○国内に支店等を有しない場合の申告等
<事例>
外国法人である当社は日本国内において事業を開始することとなり、消費税の納税義務を負うこととなる見込であるが、特に支店等の設置予定がありません。
当面関連会社に席を借りて業務を行うこととするが、この場合申告納税等の方法は如何になるでしょうか。
<結論>
外国法人については国税通則法の規定により納税管理人を選任して「消費税納税管理人届出書」を納税地の所轄税務署長へ提出しなければなりません(国通117)。
外国法人が不動産等の貸付の対価を受ける場合には、その不動産等の所在地をもってその納税地とするが、当事例のような場合にはその法人が選択して届出た場所となります。選択する場所はその法人にとって最も便宜的な場所となるのが通常であるが、事業所等に至らない関連会社、代理店等活動の拠点がある場合にはこれを納税地とすることで差し支えありません(消令43)。
○非居住者の提出する「消費税課税事業者選択届出書」の適用開始時期
<事例>
外国法人である当社は日本国内においては課税資産の譲渡等を行っていません。当期初めて日本国内で課税仕入れを開始することとなったため「事業者が国内において課税資産の譲渡等を開始した日の属する課税期間」に該当するものとして、当期より課税事業者の取扱いを受けることは可能でしょうか。
<結論>
「事業者が国内において課税資産の譲渡等を開始した日の属する課税期間」とは、原則として法人の設立の日の属する課税期間をいうものであるが、国外取引のみを行っていた法人が新たに国内において課税資産の譲渡等にかかる事業を開始した課税期間もこれに含まれます(消基通1-4-7)。
当事例のように国内で課税資産の譲渡等を行っていない外国法人が、国内で初めて課税仕入れを行った課税期間もこれに該当します。
●「ナイス・ビジネス・パートナー」(NBP)
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