2003年6月17日（火） <第559号>

■経営・労働■

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-　【2】変額個人年金　-
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　顧問先から「変額年金ってなんですか？」という問合せがありました。変額年金というとバブル時の相続税対策で損害賠償まで起きた保険商品としてとてもイメージが悪いのですが、それはさておき向学のために知っておいて損はないのでご紹介します。

　変額年金保険とは、将来の老後資金作りなどのために月払いや一時払いなどで保険料を払って加入する個人年金保険のことです。加入する保険会社によって運用方法などは異なりますが、運用の善し悪しによって、将来受け取れる年金額が変わるのが、従来からある定額型の個人年金保険とは異なる点です。金融分野の規制緩和に伴い、2002年10月1日から変額個人年金の銀行での窓口販売が始まり、複数の生命保険会社の商品を扱っている銀行も多くあります。変額個人年金を購入する前に、各商品を比較検討し、ニーズに合った商品を選ぶことが重要になってきています。

　注目を集める第１の理由としては、あらかじめ受け取れる年金額が決まっている定額型の個人年金保険は、低金利の影響で貯蓄性がかなり下がっていることが挙げられます。保険料を払っても増えないのであれば、運用して増やそうと考える人が増えているわけです。 次に、変額年金保険を扱う機関が増えていることも、注目を集める理由といえるでしょう。

　変額個人年金を選ぶ際のチェックポイントとしては次の項目が挙げられます。
1．死亡保障
・死亡保険金最低保障額
　運用期間中の死亡により受け取れる保険金額最低保障はあるか？
・ラチェット特約
　運用成績がよかった場合に最低保障額が切り上がる機能はあるか？
・加入後の規則的増額・任意増額ができるか？
2．保険料の払込み
・保険料の払込方法は次のいずれか？
　「一時払いのみ」「一時払い＋積立」「積立のみ」
・加入時に必要な最低保険料はいくらか？
3．運用中にかかるコスト
・契約維持費
　契約時の手数料は無料としている商品が多いのですが、「契約管理手数料」といった名目で一定条件下により維持費を徴収している場合があります。
・保険契約関連費用
保険の維持管理に必要な費用に充てられます。特別勘定の資産総額に対して年率で計算されます。この年率を非公開にしているところもあります。また、初年度限りではなく、毎日かかる手数料ですので長期の運用に大きな影響を及ぼします。
・資産運用関連費用
　特別勘定ごとに徴収されます。投資信託商品と同じように信託報酬などがかかるということで、これも年率を乗じた金額が毎日かかってきます。
・解約控除割合と解約控除適用期間
契約から早期（一定期間内）に解約すると、その経過年数に応じて一定割合が積立金より差し引かれます。
4．特別勘定での運用
・特別勘定のラインアップとその運用成績
変額年金の資産を運用・管理するための専用勘定であり、他の保険種類の資産とは明確に区分経理されます。
・無料スイッチング回数
　特定勘定の種類や割合を手数料なしで変更できる限度回数があります
5．年金の受取り
・年金原資に最低保障額はあるか？
・年金受取開始後も特別勘定で運用を続けるか？　一般勘定に置いておくか？
・年金支払開始後の毎年の年金額が定額か変額か？
・年金受取方法は選択が可能か？
・年金受取開始時期の繰下げが可能か？
6．保険会社の信用度
・格付け
独立した第三者である格付会社が、保険会社の保険金支払に関する確実性をアルファベットなどで表したものです。
・ソルベンシーマージン比率
その会社が通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払い余力」を有しているかどうかを確認できます。
・基礎利益
　その会社の本業での基礎的な収益力がわかります。

　変額年金は、保険の知識に加えて投資の知識も要求されます。また、長期運用商品ですので、投資する金額の性質やコストを考慮し、商品内容を理解したうえで購入することが求められます。

●「ナイス・ビジネス・パートナー」(NBP)
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