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2002年12月13日(金) <第373号>

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◆                ものづくり 〜 板橋・徳丸界隈 〜
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板橋区には製造業が多く、その事業所数や従業員数は東京都全体の約20%といわれています。大手出版会社や印刷会社があるために、工場は出版・印刷関連がもっとも多く、その次ぎに一般機械、金属加工、精密機械の順で存在しています。

今回、取材したのは大和精工(東京・板橋)です。
大和精工の最寄駅である東武練馬駅には2000年5月に板橋サティがオープンしました。板橋でも、大型店の出店があいつぎ、地元中小小売店に打撃をあたえているようです。大和精工へ向かう東武練馬駅から上板橋方面の線路際にある商店街も大型店出店による「シャッター通り」になってしまった感があります。

大和精工株式会社は、徳丸1丁目にあり、超精密金型製造が事業内容です。
--->>> < http://www.yamatoseiko.co.jp/ >
大和精工は、光コネクタフェルール用金型の分野では有名です。

フェルールは、光ファイバーを繋ぐコネクターの基幹部品です。大和精工は金型を含めたフェルールのフル製造ラインを持っています。
                 
この点では、日本でも数少ない会社です。日本国外、特に台湾の製造ラインを持たない会社から盛んに担当者が大和精工を訪れています。
< http://www.yamatoseiko.co.jp/jp/mold/ferrule-mold.html >

ここ最近の受注傾向としては、大和精工の超精密加工技術が高く評価され、大手企業の研究開発部門から試作品の開発依頼も多く持ち込まれています。大和精工の数多い製品や製作のなかで特長(気になること)が2つあります。

ひとつは「特殊切削工具」
「特殊切削工具」の製造で、エンドミル、ドリルはφ0.01まで対応できるそうです。
< http://www.yamatoseiko.co.jp/jp/tool/tool.html >

あとひとつは「微細穴用打ち抜きパンチ」。       
「微細穴用打ち抜きパンチ」で最小径φ0.0035(3.5μパンチ)より製作できることです。
< http://www.yamatoseiko.co.jp/jp/pin/pin.htm >

また、大和精工について、詳しく知りたい方は、山梨部長(国内営業部)
< j-yamanashi@yamatoseiko.co.jp >まで。

大和精工の真の実力(超小径研磨加工では外径0.0035mmより研磨加工)に興味があるひとは、増野(オプティワークス・代表取締役)< mashino@optworks.co.jp >までメールでお問い合わせ願います。

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◆       大和精工の代表取締役社長である合田昌司 〜 インタビュー 〜
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大和精工の代表取締役社長である合田昌司さんは、2代目社長です。昭和28年に生まれ、初代社長である父親を28才の時に亡くしました。

オプティワークス(以下「オプティ」):2代目社長としてプレッシャーはありましたか?
合田社長(以下「合田」):何しろ20代半ばで社長になったのですからプレッシャーというよりは怖いもの知らずでガンガン行くしかなかったです。ですから、この歳で社長を23年やってきたわけですから天国も地獄も味わってきています。

オプティ:大和精工が売上高11億円までの会社に成長してきた過程で味わった「苦労」と「喜び」を教えてください。
合田:一番の苦労は資金と人です。超精密金型技術で得た利益と人材を光コネクタ技術に投資してそのリターンが結果としてあったわけです。
又、今一番大事なのはスピードです。その為、社員や関連会社との根回しには相当苦労しました。喜びはまだまだ先です。

オプティ:これからのものづくりの課題は何でしょうか?
合田:日本は世界の研究所になるしか道はないと思います。ですから世界的にも、先行した革新技術を常に開発していくしか生きる道はないと確信します。

オプティ:今後10年、超精密加工一筋に「オンリーワン」企業でありたいか、超精密切削工具の製造分野で「ナンバーワン」企業を目指すのか。

合田:我々は「オンリーワン」企業をあくまで、目指したいと思っています。当社のビジネスモデルにありますように、特に、今後はファインセラミックのナノテク部品に力を入れていきたいと考えます。

オプティ:大和精工の出発点はセイコー時計の協力工場であるとお聞きしています。
合田:時計向けのミクロンドリルが出発点です。

オプティ:フェルールの製造加工ラインで若者が各種研磨機を操作しています。若手の工員ひとりに1台以上の加工機が割り当てられているのですか?スイス EWAG社製万能研削機を26歳の工員が使いこなしていますね。
合田:若い人の力は可能性があります。特に製造開発は若い人のベンチャー精神が必要です。彼らの経験の無さは我々世代がカバーすればよいと考えます。
我々が目指すのはすべて100%の全自動化です。現在はまだ60〜70%くらいです。

オプティ:『超精密加工技術移転』パンフレットを作成されています。相当に「超精密加工技術」に拘りがあるのですね。
合田:あくまで世界の研究所としての当社の存在価値が何であるかこだわって行きたいと考えます。

オプティ:最後に大和精工の経営方針(企業理念、経営における信条)を教えてください。
合田:全世界の技術発展に寄与していきたいと望んでいます。そうすることにより全社員、株主、お客様に利益をリターンしていきたいと考えます。

オプティ:本日はお忙しい中、インタビューにお答えいただき、有難うございました。

○インタビューを終えて
私は、合田社長の「若い人の力は可能性があります。」という言葉に、しばらく感動"していました。"若いひとに限りない可能性がある"このコメント(記事)を見て、若者が「町工場(=ものづくり)」のすばらしさに気が付いてくれたらと思いました。

合田社長率いる大和精工は、崩れるモノ作りの常識(「職人の指と経験」が支えてきた日本)のなかで、「ナノテク部品」で生き残りをかける、ひとつの「町工場の挑戦」であると感じました。

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