2002年11月25日(月) <第355号>
■中小企業の戦略的思考
・・・7「市場へのアプローチ」財務内容からのアプローチ
自由市場での自由競争これが簡単に言うところの、競争の原理を表現する競技場である。そして其処には必ず、勝ち組と負け組が存在をしており、悲喜こもごもと言う状況を作り出す。
負け組の最終的な姿は、財務の破綻であり倒産である。年商1兆円の会社でも赤字になり、手を打たなければ債務超過となり倒産を免れない。又年商1億円の会社でも毎年適切な利益を上げ、納税を行い、悠々と経営されている会社もある。
つまり会社の大小、売り上げ、社員数、資本金、何れが大きくても小さくても、会社の存続には関係は無い。要は、勝ち組になるか、負け組になるか、どちらの道を行くか、と言ったことに集約される。
中小企業が頼りにしているのは大企業である。下請けなら直接的な関係を持つが、そうでなくても、大企業の社員の使うポケットマネー、家庭の支出は国全体の消費力であり、どのみち大企業がこの国の経済を支えている。
世界に誇るハイテク電機産業、合計2兆円を超す赤字、かって世界を股に掛け活躍した、我が国の総合商社は今は見る影も無い、不良資産の山を抱え身動きが付かない。
公共投資を中心に大きく成長した大手ゼネコン、これまた、不良債権の山、債務超過の大企業。価格破壊、、、等と意味不明な言葉ととももに急成長したスーパー、健全な企業も勿論あるが、大方は赤字、駅前デパートも、最早役割を終えたかの様に業績は急落。つまり国内流通業も一部の例外を除いて全滅状態。
資本主義の中枢神経、銀行はどうか、証券、保険、言わずもがな、知っての通りである。自動車は、トヨタ、ホンダ、スズキ、の三社のみ健全。いや、日産もマツダも黒字化しましたよ、、。本気でそう思っている人は、よほどおめでたい。外資は傘下におさめた企業を育てるのではなく、本社の栄養分にしたいだけ。
先人達が血の出る思いで開発し、死守した技術は、いとも簡単に海外へ。
これではムーデーズが国債の格下げをしても、当たり前。それに、中小企業の7〜8割が赤字、国債の格下げも、ごく自然な結果と言えるでしょう。
此の厳しい現実の中でも、相変わらず勝ち組として生き残り、これからも勝ち続ける手段、戦略はあるのか、、、?それは間違いなく存在する。
企業が勝負する種目は、品質、技術、財務内容の三種目である。しかし企業の存立で最も重要な項目は、企業財務であり、財務戦略である。先に挙げた赤字大企業の赤字の原因は、単純ではない。単に財務戦略の間違いだけでは無い。だが、中小企業の世界で、勝ち組であり続けたいのなら、正しい財務戦略は不可欠である。
自己資本比率・・・・40%以上
流動比率・・・・・・250%以上
当座比率・・・・・・200%以上
固定比率・・・・・・100%以下
支払い手形発行ゼロ。
含み資産・土地,債券等々少々。
競争に強い、常に勝ち組であり続けるためには、品質、技術、しかし企業としての基礎体力が無くては戦略の実行が出来ない。その意味で財務戦略は品質、技術を高めるためにも、絶対に必要な項目である。
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