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2002年11月5日(火) <第335号>
■中小製造業の戦略的思考・・・5
「市場へのアプローチ」技術からのアプロ−チ(後)
我々(株)樹研工業のコンセンサスは、世界で最も小さいプラスチックのメカ部品を作る、と言うことにある。しかも、それは量産可能なシステムによらなくてはならない。つまり全ての力を極小部品、マイクロパーツ生産に集中しているのだ。従って最新式のシステムによる最小の部品は、未だ使い道も、買ってくれる客もない。
今ビジネスとして客先に供給している部品は、マイクロパーツ生産の副産物であるといえる。つまり、現在、生産販売している部品は、マイクロパーツを生産出来る技術と設備で作られているのだ。故に他社とは品質、性能のレベルが違う。我々の誇りである。
我々は今、マイクロパ−ツを越えて、パウダ−パ−ツへと進んでいる。パウダ−パ−ツ成形システムの完成。これが我々の未来に対するイメ−ジである。パウダ−パ−ツ成型、ここに集中している当社は、治工具(金型)生産手段(成型機及び周辺機器)全て自家製であり、既製品の成型機は使用していない。
治工具も専用に設計され100% 標準化されている。「一点集中主義」の実際である。
「実例」世界最小の歯車・・・直径0,149φ
M=0,002・・・・・・(M=モジュ−ル)
W=百万分の1グラム・(W=ウエイト)
技能・技術への理解
技能と技術、定義は学者によって、多少の違いもあるが、どちらにしても物づくりの根幹を成す物であり、頭脳であり手足である。我が国の製造業が優れていたのは、実にこの技能技術に、他国に比べ突出した物があったからである。
技術はサイエンスを基礎として構築され、技能は技が中心の世界と言われていた。しかし現在、最もアナログ的技能の世界にデジタル技術が入り、伝承の技もデジタル信号に、置き換えられる部分が増してきた。
デジタル技術と呼ばれる、基礎技術による生産技術は、簡単にコピーが可能である。デジタル信号を一定のソフトウエアーを通過させ、プログラムと言う手順を踏めば、さほど高い技能者がいなくても、可能な物作りはそんざいする。
設備とPC、そしてソフト、これが揃えば、即日製品の製造可能な製品も部品も生まれてくる。
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