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2002年3月5日(火)<第128号>
<特集>
キャノン株式会社< http://canon.jp/top.html >
- その3 -
○複写機
阿見事業所(茨城県阿見町)は複写機の生産拠点です。
「中国と競うには人材で勝つ」
・スーパーマイスター(S級)
機能優先で無理のある形状になったユニット部品は組み立て現場に負担を強いています。1,2回ならできても数100回、数1000回と繰り返せば、無理がたたって、組み立てスピードの低下や作業ミスを招きます。無理な設計でも製造現場に降りてしまってからでは修正はきかず、生産性の伸び悩みや不良品増加など見えないロスを生みます。
キャノンがスーパーマイスターを販売現場居に置いた狙いは、販売先で機械がどうトラブルを起こすか、故障と顧客の利用形態の関係の把握にあります。複写機の中身を知り尽くしたスーパーマイスターにしか見えない問題を顧客の現場から発見してほしいとキャノンは期待しています。製造現場で技能を究めたスーパーマイスターが上流の開発と下流の販売に展開し、開発、製造、販売を有機的に結合します。
スーパーマイスターは製造業としては新しい次元を目指すうえで最大の武器となります。
・セル方式の導入効果
ベルトコンベアーは1万6000メートル撤去、自動倉庫は25基撤去、外部倉庫は8万平方メートルにスペースセービングしました。
・「作業員がレイアウトを工夫して見つけ出した空きスペース」
キャノン阿見事業所は1998年から「大量生産」の代名詞だった一本100メートルに及ぶ大規模コンベヤーを廃止し、6人程度の作業員が一台の複写機を造りあげる「セル生産」への移行を開始しました。コンベアーは延べ1600メートル廃棄し、25基の自動倉庫を撤去。阿見事業所のようなスペース対策で、生産現場は総計38万平方メートル削減しました。
大量生産から計画的生産への移行は、同社に300億円ものコストダウンを生んだそうです。また中間在庫の削減効果は1000億円に上るといいます。
< http://www.ibaraki-np.co.jp/contents/news/2001/feature/koujyou/13.htm >
※株式会社リコー(ユーザ事例)
< http://www.cybernet.co.jp/ansys/stories/ricoh.html >
○現代の匠や名工
キャノンでは「名匠制度」と、「マイスター制度」を創設しました。名匠認定者の平均年齢は53.6歳。オプティワークスは、そこに「彼らの技術を伝承しないと、10年後にはキャノンの技術力は確実に衰退する」との危機感と、「優れた技能をハイテクと融合できる人材を育成したい」との意気込みを強く感じました。この危機感がある会社は、社員の士気が高く、技能伝承がなされています。
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