2010年2月4日(木) <第2414号> − Aとのコミュニケーションをデザインする − 美しい日本語は、あいさつ語が大部分である。あいさつ語とは、「声をかける」ことばである。 「ありがとう さよなら はい おはようございます わたくし さわやか あなた おやすみなさい すいません どうぞ いいえ いらっしゃいませ おかあさん ほのぼの ごめんなさい しぐれ たそがれ はは いただきます いってらっしゃい うららか こんにちは ふるさと・・・・・・」。 これによって、相手との距離がぐっと縮まる。この声の接触行動が自己表現の道を開く。 45.母と子の関係が切ない親子 子どもたちは「勉強は必要だ」と思っている。 それは、親が言うからではない。 子どもたち自身の社会から受ける情報に対する状況判断である。 しかし、子どもは「親に勉強しろ」と言われることは「親を大嫌いだ」と思う。 だが、教師から言われるのには反発しない。 それは、教師が勉強しろと言うのは職業柄当たり前だから。 親が子に、子が親に望む姿がずれている家庭がある。 朝7時30分ごろ。ゴミ袋を重たそうにぶら下げた男子中学生が私とすれ違う。 私(1) 「毎朝、ゴミ出しご苦労さんだね。お母さんは君を褒めているでしょう」 男子中学生(1) 「見ていたの。褒めてなんかいないよ」 私(2) 「えっ・・・・・・」 男子中学生(2) 「お母さんは、お前が勉強できないから、ゴミ捨てでもしてなきゃ駄目だって言うんだよ」 私は言葉がなかった。ゴミ捨ては、勉強ができない人のする仕事? では、毎日ゴミ処理をしてくれる役所の人は、勉強ができない人なのか。 ゴミ収集が必要な仕事だということは、母親も十分に分っている。 が、この男子中学生の母親の偏った価値観が、この子を育てている。 − 明日(2/5)は『46.「現実を見なきゃあだめだよ」と言った孫』を掲載します − <バックナンバー> 00.子どもの心をつかむ 01.事例 02.コンビニの店員の心をつかむ? 03.レストランで接客している女性 04.職場で具合の悪そうな部下を見つけた上司 05.「わかりません」と答える研修医A 06.不定愁訴(”愚痴外来”) 07.聴き遂げる 08.真摯に耳を傾ける 09.外科医と患者 10.年配の男性のお客 11.魚売り場の店員 12.不安はあるが暗くはない家族 13.ぐっと言葉を呑み込んだ上役 14.会議室から急ぎ退室する上司 15.感動した新人の頃 16.設計 Vs. 営業 17.やってられない、部下 18.気配りのよい人 19.”おとな”の夫 20.仕事で納得いかない後輩 21.話の流れを作る人 22.上司のよく使う表面的なコトバの裏のホンネ 23.大工の棟梁 24.女子社員用「社員用語集」 25.「報告」する警察官 26.普通の母親と良い母親 27.教師に対して、腹を立てている中学生 27.教師に対して、腹を立てている中学生(続き) 28.離婚した母と子 29.早口の女子大生 30.「働いてどうなるの?」と聞く若者 31.繁盛している食堂のおやじ 32.大阪の小学生 33.ふつうの患者とみごとな歯医者 34.禅師 35.『今自分が生かされている』お母さん 36.元気になれることを知ったAさん 37.子どもたちから教わる小児科医 38.自然にそんな気持ちにさせた精神科医 39.死んでいく鼬 40.「じゃあ」する子ども 41.心の専門家 42.静かに死なせてもらえない親父 43.「もう一度」と諭す親父/ 44.泥棒に「働け」と言ったばあちゃん
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