2010年2月1日(月) <第2411号> − Aとのコミュニケーションをデザインする − 美しい日本語は、あいさつ語が大部分である。あいさつ語とは、「声をかける」ことばである。 「ありがとう さよなら はい おはようございます わたくし さわやか あなた おやすみなさい すいません どうぞ いいえ いらっしゃいませ おかあさん ほのぼの ごめんなさい しぐれ たそがれ はは いただきます いってらっしゃい うららか こんにちは ふるさと・・・・・・」。 これによって、相手との距離がぐっと縮まる。この声の接触行動が自己表現の道を開く。 42.静かに死なせてもらえない親父 親父(1) 「俺はガンでは、死なん」 息子A(1) 「・・・・・・・親父」 親父(2) 「ああ?」 息子A(2) 「・・・・・・・」 親父(3) 「遅い。早く言え」 息子A(3) 「・・・・・・・怖く、ねえのかよ」 親父(4) 「ふん。あとのない者に怖いものがあってたまるか。 なあ、Aよ。生きているものは、必ず死ぬんだ」 息子A(4) 「・・・・・・・そういうもんか」 親父(5) 「俺みたいなガン患者の死亡率がどの程度のものかは知らんが、どうせいつかは寿命が尽きて死ぬ。ヒトの死亡率は100%だ。死ぬことそのものは、だから、そう大したことじゃない。 むしろ俺にとって苦痛なのはな・・・・・・」 息子A(5) 「・・・・・・・何?」 親父(6) 「俺が苦痛なのは、静かに死なせてもらえないことだ! 無駄としか思えない延命治療をほどこされて、意識もないのに無理やり生かしておかれることだ。そのことだけは覚えておいてくれよ、A」 息子A(6) 「・・・・・・・」 − 明日(2/2)は『43.「もう一度」と諭す親父』を掲載します − <バックナンバー> 00.子どもの心をつかむ 01.事例 02.コンビニの店員の心をつかむ? 03.レストランで接客している女性 04.職場で具合の悪そうな部下を見つけた上司 05.「わかりません」と答える研修医A 06.不定愁訴(”愚痴外来”) 07.聴き遂げる 08.真摯に耳を傾ける 09.外科医と患者 10.年配の男性のお客 11.魚売り場の店員 12.不安はあるが暗くはない家族 13.ぐっと言葉を呑み込んだ上役 14.会議室から急ぎ退室する上司 15.感動した新人の頃 16.設計 Vs. 営業 17.やってられない、部下 18.気配りのよい人 19.”おとな”の夫 20.仕事で納得いかない後輩 21.話の流れを作る人 22.上司のよく使う表面的なコトバの裏のホンネ 23.大工の棟梁 24.女子社員用「社員用語集」 25.「報告」する警察官 26.普通の母親と良い母親 27.教師に対して、腹を立てている中学生 27.教師に対して、腹を立てている中学生(続き) 28.離婚した母と子 29.早口の女子大生 30.「働いてどうなるの?」と聞く若者 31.繁盛している食堂のおやじ 32.大阪の小学生 33.ふつうの患者とみごとな歯医者 34.禅師 35.『今自分が生かされている』お母さん 36.元気になれることを知ったAさん 37.子どもたちから教わる小児科医 38.自然にそんな気持ちにさせた精神科医 39.死んでいく鼬 40.「じゃあ」する子ども 41.心の専門家
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