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 |   2007年8月16日(木) <第1957号>
 ■労働・経営■
 
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 - 【353】派遣労働者の労災事故が増加している! -
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 ○労災事故の内容
 派遣労働者の労働災害事故が急増していることが、東京都内の派遣業者を対象とした東京労働局による調査で明らかになりました。前年に比べ5割近くも増加しています。
 
 2006年の同局管轄の死亡災害は99人(前年比15人増)で、怪我は10,078人(同169人増)でした。このうち、派遣労働者の死亡災害は2人(前年ゼロ)、怪我は401人(同268人)で49.6%増となりました。
 
 死亡した2件の労災は、造園事業に派遣され、マンションの樹木の剪定作業中にはしごからコンクリートの路上に落下したケースと、事務職の派遣で、外階段を移動中に突風を受けて転落したケースでした。
 
 怪我では、機械に挟まれたり、転落したりしたケースなどが多く、また腰痛やプレス作業中に左手をはさまれるといった、経験と安全教育不足からくる事故が目立っているようです。
 
 ○今後の対応策
 東京労働局では、今後、派遣社員に対する安全教育を図るよう企業に呼びかける予定だそうです。派遣労働者の労働組合「派遣ユニオン」は、「派遣業者が安全衛生教育を何とかしない限り被災は増え続けるであろう」と見ています。
 
 景気の回復や労働者の高齢化により、企業の労働環境が改善されつつあるといわれる昨今ではありますが、派遣労働者は、ノウハウや経験不足から労働集約的な仕事しか任されないことが多く、また、正社員と比べても企業が教育に費やす費用は明らかに少ないとみられています。
 
 正社員雇用が増加している現在の日本の雇用情勢。今後、派遣労働者はどういった位置付けになっていくのかまだまだ未知だといえるでしょう。
 
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