|   2007年8月14日(火) <第1955号>
 ■労働・経営■
 
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 - 【351】普及・定着するか「短時間勤務正社員制度」 -
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 ○「短時間勤務正社員制度」の目的
 短時間勤務正社員制度は、フルタイム勤務一辺倒の働き方ではなく、自己のライフスタイルに応じて多様な働き方を実現させるとともに、これまで育児や介護をはじめとして様々な制約によって就業を継続できなかった人や就業の機会を得られなかった人たちの就業の継続を可能にするための制度です。
 
 労働者が育児や介護・自己啓発などの必要性に応じて、正社員のまま仕事を継続することができるため、「多様就業型ワークシェアリング」の代表的制度として、今後定着が期待されている制度です。
 
 ○2つのタイプがある「短時間勤務正社員」
 短時間勤務正社員とは、フルタイム正社員より1週間の所定労働時間が短い社員のことをいいます。タイプは2種類あり、フルタイム正社員が短時間・短日勤務を一定期間行う場合と、正社員の所定労働時間を恒常的に短くする場合に分かれます。
 
 前者のメリットとしては、従業員が育児や介護、社会活動など必要性に応じて時間をとることができ、有能な人材の確保が容易であること、後者のメリットとしては、仕事と家庭のバランスを図りやすく、健康面や体力面での配慮が可能になることとされています。
 
 どちらにしても、企業が人事・労務管理を見直す機会となり、企業運営の効率性を高めるきっかけにもなります。
 
 ○制度導入にあたっての注意点
 制度を導入する際には、導入のメリットを確認した後、実際に現場の管理職や従業員の声を拾い上げるための調査を実施する必要があります。その留意点としては、以下のことが考えられます。
 
 1.「企業のコスト削減等のための労働時間短縮制度」との誤解を招かないよう、労働者側のメリットも周知すること
 
 2.各識層のニーズを偏りなく把握すること
 
 3.意見を述べた個人の特定ができないように、調査票は無記名にするなどの配慮が必要ではあるが、所属部署・業務内容等は回答してもらうこと
 
 ○可能な部署からの導入も
 制度を全社的に導入できることが望ましいでしょうが、可能な部署から実施し、徐々に拡大していく方法もあります。いずれにしても、制度の円滑な導入を進めるためには、労使それぞれの立場からの意見が反映できるように、社内での十分な検討が必要になります。
 
 
 <バックナンバー>
 【347】サービス業の生産性向上のための施策
 【348】改正男女雇用機会均等法が施行されました
 【349】年金加入記録の不一致で揺らぐ年金制度
 【350】外食産業の回復は雇用状況にも影響か
 
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