2006年6月19日(月) <第1535号>
■労働・経営■
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- 【245】診療記録をITで提供 -
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○医師の所見や検査結果をCD-ROMに
患者が病院などで安心して治療を受けられるように、IT(情報技術)を活用して診療情報を提供する取組みが大きく動き出しました。
静岡県では医師の所見や検査結果を記録したCD-ROMを患者に提供するシステムがすでに運用されており、厚生労働省もこのシステムの全国展開を目指す方向です。
病院の窓口で薬剤や検査など個別費用の明細書を発行する施設も出てくるなど、ITが「医療の透明化」を後押ししています。
○電子紹介状の提供
CD-ROMにはそれぞれ、患者の氏名と「診療情報提供書」が入っています。パソコンにセットしてみると、画面には主治医の所見をまとめた紹介状が表示されます。
それに加え、これまで処方された薬の一覧や、増減が一目でわかるグラフで白血球数など血液検査の結果が表示されます。
患者が、例えば手術を受けた病院ではなく、通院しやすい診療所で治療を希望して、他の医療機関を受診する場合、従来からの紹介状とともに、診療情報を盛り込んだCD-ROMを電子紹介状として有償で提供するというものです。
○医師側・患者側双方にメリット
閲覧ソフトが一緒になっているため、紹介先の診療所のパソコンでCD-ROMに記録された検査結果を見ることが可能です。
「画像データを含め過去の治療履歴や細かい検査結果を把握でき、継続的な治療計画を立てやすい」と、診療所の医師にも好評だそうです。蓄積されたデータを活用することで、紹介状を書く時間を短縮できるといった利点もあります。
患者も自宅のパソコンで自由に見ることができ、自らの症状や治療内容がわかるので、安心して医療を受けることができます。
また、領収書が検査費用や診療報酬の点数(1点=10円)の明細を発行できるように改良されるなど、治療内容とその費用の透明性が増すことからも、医師や病院を信頼する材料の1つになることが期待がされており、厚生労働省も「患者への情報提供や医療機関の連携のカギとなる」と、こうした動きに注目しています。
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