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2005年10月28日(金) <第1301号>
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- 【184】パート社員に助成金制度導入へ -
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2004年のパート労働者は約1,240万人となり、この10年で40%近く増加しています。厚生労働省は正社員への登用制度を設けたり、正社員と同等の教育機会を提供したりする企業を助成するシステムを導入し、パート社員の待遇改善を促す事業に乗り出します。
○パート労働者の現状
雇用者のほぼ4人に1人がパートで、そのうち約70%を女性が占めていて、一時的に正社員の役割を補完するだけでなく、継続的に重要な役割を担うパートも増えてきています。ただ、女性パート社員の労働時間あたりの給与は一般正社員の65%で、職業訓練の機会に恵まれないことや昇進・昇給の道が閉ざされているなど、正社員との差は大きくなっています。
また、年金などの社会保険制度でも、正社員との格差が生じています。パートなど低所得の働き手は増加傾向にあり、15歳から24歳の若年層でも30%を超えています。
○新たに始める支援事業の内容
これからの人口減少社会を控え、若年層の能力を底上げし、企業内の人的資源を有効活用するために新たに始める支援事業では、次のよう制度などを設けて、実際に対象者が出た企業に助成金を支払う仕組みで、主に中小企業を対象に年間数十万円規模で助成し、パート社員の処遇の改善を促します。
・パートから正社員への転換制度
・パートと正社員に共通の評価・資格制度
・正社員と同じ教育訓練制度
また、一律の時間給で設定されることが多いパートの賃金について、職務や成果に応じて正社員と同等にもなる時間給のあり方を有識者らの研究会で検討し、一部でモデル導入して効果を検証し、正社員との格差是正に向けた取り組みを企業に促します。
厚生労働省は、来年度予算の概算要求にパート社員の処遇改善の事業費として約5億円を盛り込むことにしています。
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