2004年5月2日(日) <第879号>
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
【最適設計】
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
■■■■■■■■ほめよう、はげまそう■■■■■■■■
あなたは、従業員をほめてはげましていますか。
【01】形式ばらない(自発的な)報奨
その人に合った報奨を与えます。相手の個人的な好みを第一にします。
例えば、マネジャーが部下をもっとやる気にさせるベストな方法は次の通りです。
・マネジャーが、いい仕事をした部下を直接ほめる。
・マネジャーが、功績があったら部下に手紙を書いて直接わたす。
・マネジャーが、功績のあった部下をみんなの前で直接ほめる。
・マネジャーが、成功を祝い、士気を高めるミーティングを直接開く
・マネジャーが、仕事の成果をもとに部下を直接昇進させる
(5つのことをよくやっていると答えたマネジャーは10%にも満たないのです)。
形式ばらない報奨はずいぶん効果的であり、あまり費用がかかりません。
まずは部下がいい仕事をしたとき、どんな形で報いるのが一番いいのか
マネジャーであるあなたが直接部下に聞くことです。
【02】人は感謝の気持ちで動く
非常に効果的な報奨で、まったくコストがかからないものがあります。
それは「ほめられること」です。
たとえば、部下がもっとも好む報奨は、直属の上司からその場で直接ほめられることです。
そして、仕事に満足感がもてるかどうかに一番影響を与えるのも上司なのです。
マネジャーは、自分しだいで部下を大いに満足させ、いっそう功績をあげさせることができます。
【03】人は功績を認められたい
もっとも大事なことは、個人を正当に評価することです。
それは給与やボーナスや昇進よりも大事です。
エンジニアであろうと、経営者であろうと、機械のオペレーターであろうと、
ほとんどの人が創造的でありたいと思っています。
彼らは仕事の成功と会社の繁栄を自分のこととして感じたいと望んでいます。
社会をもっと快適で、健全で、楽しいものにする役に立ちたいとも考えています。
そして彼らにとってもっとも大きな報奨は、何か意義あることをする役に立ったと
認められることです。
人は自分の功績を認められることで仕事の満足感が著しく高めるられることを
知っています。
また人は毎日、上司や同僚やチームのメンバーから認められることが
非常に大事なことを知っています。
【04】誰かに認められたい
多くのマネジャーは、ほとんどの人が、人に見つめられ、
あなたはよくやったと言われたいと思っていることを、
またほめること(認められたい)がどんなに強い力をもっているかが分かっていないのです。
【05】手紙を書く
○ 「称賛の手紙」
引き続きがんばってほしいと思う社員がいたら、
正式な「称賛の手紙」を書いて、社員の特定の貢献や功績を評価しましょう。
同時に手紙のコピーをその社員の人事ファイルに入れ、社長にも提出します。
○ 名刺刷り込み
会社の<2003年度トップセールスパーソン賞>とか<2003年度新人賞>などを
受賞した人には、その旨を当人の名刺に刷り込みます。
【06】効果的なインセンティブ
現金は使ってしまえばすぐにそれが報奨であったことを忘れてしまいます。
クーポン券や、たまれば何かと交換できる点数(現金に代わるもの)は、
使い道がいろいろあり、自分で使い途を決められるので満足はそれだけ大きいです。
商品引換券はすぐに商品と引き換えることができ、金額や期限を自由に変えることができます。
【07】ちょっとのことでいい
○ 野球観戦をする
年に一度、従業員全員とその配偶者または友人をつれて野球観戦に出かけます。
全員が大きな会社のマークがついた野球帽かTシャツを身につけ、
経営陣はスタンドの通路を上り下がりして、みんなに無料の飲み物や軽食などを
配って歩きます。
○ 「ドリームデー」にする
社員に一日休みをとらせて「ドリームデー」にし、海辺へ出かけ、
仕事や人生や将来についてじっくり考えてもらいます。
そのあと、社員一人ひとりに心に浮かんだことなどを聞きます。
○ 昼食をとる
社員それぞれの誕生日にみんなで昼食に出かけます。
【08】顧客サービスを促進させる
「新しい顧客を獲得するには、現在の顧客を維持する二乗倍ものコストがかかる」
店員が顧客を名前で呼んでいるのをマネジャーが耳にすると、その店員はポイントがもらえます。
それがたまると店内の特定のところで一定時間内に好きなだけ買い物ができるようにします。
この場合、顧客サービスの強化策にかかるコストは(二乗倍ではなく)倍の費用で済みます。
【09】従業員の離職率を下げる
「自分にとって価値あるものがそこ(職場)にあれば、みんなもっと熱心に働く」
××社で実施したセールス・プログラムは、5ヶ月間に前年と比べて売り上げを25%以上
のばした従業員に、ペアでの一週間のクルージングをプレゼントするというものでした。
このプログラムによって売り上げがのび、従業員の離職率も下がりました。
(ある従業員の言葉)
"ほかの会社からもっと高い給料で誘われたけれど、断りました。
私はこの会社に誠意を尽します。××社はずっと私によくしてくれたから、
私も会社によくしたいのです。"
【10】ルールやマナーを守る
メーカーが評価する、もっとも一般的で基本的な行動は、
きちんと出勤することと安全を保つことです。
会社は出勤に対して賞を与えることで、従業員は時間を遵守し、
出勤日を忘れたりしなくなります。
安全性に対する賞は、安全な手順を守り、業務上の事故を最低限にしたことを
高く評価しています。
【11】正式な報奨プログラムを成功させる
○ 報奨プログラムを成功させるための8つの指針
多くの企業でおこなわれています。
すぐれた功績を認めるうえで、とくに長期にわたる功績に対しては有効です。
● 目的を定めます。
● 経営陣が率先して手本を示します。
● 特定の基準を定めます。
● 意味のある報奨にします。
● 従業員が関与できるようにします。
● 明快なコミュニケーションを心がけます。
● チームに与えます。
● 長期にわたっておこないます。
○ マネジャーが注意する点
プログラムをつくっただけでは役に立たないし、従業員を動機づけ、満足させる効果はでません。
マネジャーはきちんと管理してください。
● 要望に合った報奨
従業員の要望はそれぞれ異なっており、できるだけ各従業員に合った報奨にします。
● 適正な報奨
仕事の内容を考え合わせて、従業員が納得する報奨にします。
● タイムリーな報奨
従業員が成果をあげたとき間をおかず報奨を与えるようにします。
● 報奨の価値をわからせる
熱意をもって報奨を与えれば、受け取る側にとってその価値が高まります。
● 報奨は明確に
あれこれ余計な話をすると、ほめ言葉がかすんでしまいます。
● 報奨を強調しすぎない
すばらしい報奨があるとしょっちゅう言っていると、ばかばかしく思えてきます。
【12】感謝を返される会社になろう
○ 自分の仕事に感謝してきた従業員
人は感謝されていると思えば、いっそう努力します。
いつも自分の仕事に感謝してきた従業員は、賞をもらって初めて、
会社から感謝を返してもらった気がしました。
○ 優れた従業員
ほかの人たちが一緒に働きたいと思うような人です。
一緒にいて楽しく気楽で、毎日を何とかして生産的で楽しいものにしようと努めています。
楽しいというのは、優秀さの重要な要素です。
○ 同僚から認められた従業員
報奨プログラムの目的は、ほかの人たちを刺激して、同じように優秀な人になるよう
努力させることです。
同僚から認められることは大きな動機づけになります。
従業員は奮い立ち、個人的にも仕事のうえでも目標を達成したいと思うようになり、
そして会社の目標達成にも貢献します。
【13】部門毎にやってみる
○ 医療センター
毎月、従業員の中から「MVP」が同僚によって選ばれ、年末には12人の「MVP」の中から
「今年のMVP」が投票によって選ばれます。
各月の「MVP」は、医療センターの2つの主要な入口に写真が掲げられ、
医療センターの社内報に掲載されます。
○ 事務局
「称賛と表彰の掲示板」を設けます。
用紙があって、事務局内の誰でも書き込むことができます。
ちょっと時間をとって、称賛に値すると思う同僚のことを記入します。
記入された用紙は掲示板にはり出します。
【14】コンテストから始める
望ましい行動を引き起こしたいとき、そのきっかけとなるのが、
なんらかのコンテストで賞を設けることです。コンテストを成功させるには、
次のような点が重要です。
○ そのプログラムと目的を広く知らせること
○ 現実的で、達成可能で、計測できる目標を設定すること
○ 短期間のコンテストにすること
○ コンテストのルールを簡単なものにすること
○ 従業員が望むような賞にすること
○ 業績に直接結びついた報奨にすること
○ 報奨や表彰はすみやかにおこなうこと
【15】みんな学びたがっている
特別なトレーニングは効果的なインセンティブになります。
企業がトレーニングを報奨している理由は2つあります。
・従業員の望ましい行動をいっそう促進する
・従業員の技量を伸ばして個人的に向上させる
○ 教育にお金をかける
例年の賃上げをやめ、責務に対して報酬を支払うシステムを採用しませんか。
新しい職務(たとえば予算編成とかトレーニングとか)を引き受けた人は、
それだけ収入が付加されます。
また、能力開発チームを設けて、個々の従業員が生涯の目標を立てたり、
会社を通じてその目標を達成するのを手助けしている人に教育手当を支給します。
人間が潜在能力を発揮するのを手助けするのは、道義的な責任です。
同時にビジネスにもプラスになります。人生は心意気です。
学び、努力している人は幸福で、従業員としても望ましいのです。
その人たちには進取の精神と想像力があり、そういう人々がいる会社はよその会社に
引き抜かれることはありません。
【16】偉くなりたいからがんばった
従業員の長期にわたる努力に対して与える報奨には、「昇進」と「職責の増大」があります。
大きな功績のあった人に対する昇進や職責の拡大、目に見える報奨は、
容易に増やすことができます。
○ 大きな功績のあった人に特別な持ち場を設けます。
より積極的に他の人々を訓練する役割を与えるとか、上級のトレーニング・クラスを
受講させます。また、他部署へのアドバイザーとしても活躍をしてもらいます。
○ あらゆる機会をとらえて、めざましい功績のあった人を広く知らせます。
大きな功績のあった人に相談をもちかけたり、特別な職務を与えたり、
報奨として任務を与えることで、高く評価していることを示します。
他の従業員たちもそれに気づき、触発されていきます。
また、社内報があるなら、功績のあった人にビジネスに関する記事を
書くよう奨励します。そうすることで、大きな功績のあった人も、
自分が優秀であれば社内の誰もがそのことも、その業績も知るようになります。
【17】自分の会社だという意識を持つ
自分の会社だという意識を持つことができれば会社は発展します。
○ 従業員持ち株制度
全従業員に自社株の購入権を与えます。
1年間勤めると、その時点の価格で以後10年間、最高×××株まで購入することが
できるようにします。会社の施設のどこでも、本社受付や工場正門のところに、
現在の株価を大きく表示します。
○ 祝「記念日」
記念日を祝うのは、会社と従業員の長い関係に感謝の気持ちを示す上で大事なことです。
そして、会社にとって永年勤続の従業員がいるというのは重要なことです。
|
← Prev News Index Next→
|