2004年2月15日(日) <第802号>
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【最適設計】
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<バックナンバー>
【01】キャリアとは
【02】エンプロイアビリティ
【03】問題解決能力
【04】人的資本論
■キャリア・コンサルタント■
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○ アカンタビリティ
米国のプロ野球、メジャーリーグでは、4番打者は打点が評価され、2番打者は犠打の数が評価されることが普通です。つまり、4番打者と2番打者では求められるパフォーマンス(成果・性能)は異なっています。
2番打者としての役割、責任は「走者を得点圏に進めること」であり、それを具体的な数値として表したのが「犠打数」です。一方4番打者としての役割、責任は「塁上にいるランナーをホームに還すこと」であり、それを具体的な数値として表した「打点」で評価をされます。
メジャーリーグでは、4番打者のようなクリーンアップと2番打者とでは、求められる役割、責任が異なっており、その違いに応じた評価の仕組みが確立しています。
こうしたことはピッチャーにもいえます。メジャーリーグでは先発ピッチャーはいくら調子が良くても完投は狙いません。なぜなら完投することが「アカンタビリティ」ではないからです。
先発ピッチャーは「100球までの投球において最少失点に抑えること」が期待されています。その後は、中継ぎ、押さえといった別の役割を担っているリリーフのピッチャーに任せればよいわけです。メジャーリーグでは、こうした「アカンタビリティ」を明らかにした上で、その役割の違いに応じた評価を行っています。
このようにアカンタビリティとは、コンピテンシーに基づいた活動によって、どのような貢献を組織や顧客に対してするのかを明確に表したものをいいます。これまでの日本の人事制度でも、職務記述書などでどういった行動をとればよいかが示されていました。
しかし、その内容のほとんどは抽象的で、それがどういった成果に結びつくのか、何の役に立つのか、どういったパフォーマンスを生み出すのかは明らかにされていませんでした。
コンピテンシーを実効性の高いものとするには、こ のアカンタビリティを明らかにすることが不可欠といえます
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- 【05】視野、視座、視点 -
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営業部長のA氏は現在転職しようかどうか迷っています。「今の会社では営業出身の取締役がいなくてキャリアアップできそうにない」というのがその転職の理由です。
この事例の「問題」を推測します。
・ 現在営業職出身の取締役がいないだけで、将来もありえないと思いこんでいることが問題
・ 取締役になれなければキャリアアップできないと思っていることが問題
・ 将来、取締役になれるような努力をしていないことが問題
・ 営業職出身の取締役の存在が会社にとっていかに利益となるかを認識させる努力
をAさんがしていないことが問題
・ 会社の経営戦略の問題
・ 経営者の人材育成に対する考え方の問題
・ Aさんの転職の明確なビジョンがないことが問題等
問題がどこにあるのかを考えます。
さまざまな視野、視座、視点から考えることが重要です。クライアントが出してきた問題をそのこと一つに決めつけずに、いろいろな隠された問題まで含めて考えていく必要があります。
その人の立場や環境、性格によっては、それぞれの問題の捉え方は違ってきますが、キャリア・コンサルタントはできるだけ客観的に、どこに問題があるのかを気づかせるためのお手伝いをします。
普段から、いろいろな事例を想定し、その問題の所在を考えるトレーニングを積んでいます。
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